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2008-09-30

バスケット

高木さんは高校の頃、女子バスケ部のキャプテンをしていた。
「うちの学校、結構スポーツで有名だったんです」
毎年、県大会で1位をとるような強豪だったという。
当時三年生だった高木さんは最後の大会にむけて猛練習の毎日だった。
「飯田コーチって地元じゃ有名な鬼コーチ。気に入らないプレーをする子にはボロクソ言うんだもん。でも、たぶんあの人がいたから私たち全国行けたんだと思う」
バスケットへの情熱は熱かったが、何しろ言葉使いが荒かったという。
レギュラーは学年関係なく、実力のある者が選ばれた。
「一年生も、初心者も関係なし。出来るか出来ないか。出来ない子はゴミ扱い。それが飯田コーチのやり方でした」
高木さんは食らいつくように練習したという。

一年生に高木さんを慕ってくる子がいた。
「ゆかりって言うんですけど、、あの子、正直バスケ向いてなかったんですよね」
とても線の細い子だった。
高木さんに憧れてバスケ部に入ったのだという。
中学からの経験者だったが、同じ時期に入った初心者に抜かれるようなレベルだった。
コーチからはも[もやし]と言われていた。

ある時ゆかりが<部活が終わった後、練習につき合ってくれないか?>と言ってきた。
「私もクタクタだったし、もう制服に着替えてたから、ごめんって断ったんです」
笑顔で<じゃ、また今度お願いします>と頭を下げて帰っていったという。
もう日は落ちかけていた。
「私は電車通学だったんで、だいたい帰るときは同じメンバー」
駅のホームで、電車を待っていると、次のキャプテンは誰が良いか?という話になった。
一人がゆかりが良いと言い出した。
「いいじゃん!あいつがキャプテンすればみんな自信がつくよ。ってかさ、ゆかりってレズじゃん?マキ狙われてるでしょ」
皆、口々にゆかりの悪口を言っていた。
「悪ふざけだったんでしょうけど、良い気はしなかったですね」
まじめに答えるのも面倒くさかったので、曖昧な返事を返したという。
しばらくして電車の通過を知らせる笛が鳴ると、高木さん達を追い越して前に出る人がいた。
ゆかりだった。
ホームの端まで行くと振り返り高木さんを見つめた。
「高木先輩、ごめんなさい。今度は無しです」
そう言うと、あの笑顔を浮かべ、そのまま後ろへ倒れ込んだ。
「あっという間でした。私たちの目の前で、、」
音はしなかったという。
電車が通り過ぎると、ホームは錆びの匂いでいっぱいになった。
ゆかりの体は腰から二つに分断されていた。
頭からは、スボンジのようなクリーム色の泡が出ていた。
下半身に傷は無く、細い足が痙攣を繰り返していたという。

後日、全校集会が開かれ、校長の長い話の後、黙とうがなされた。
バスケット部に原因の追求はなかったという。
飯田コーチはことあるごとに、<もやしのようになるなよ>と野次るようになった。
高木さんは高校を最後にバスケットからはなれた。
「大学推薦の話とかあったんですけど、なんだかどうでも良くなっちゃって」
母親となった今でも時々夢を見るという。
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tag : 怖い話 ホラー

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紋白蝶

Author:紋白蝶
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趣味は読書、ゲームなど。
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