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2008-09-20

髪人形

あらかじめお断りしておきますが、この話を聞いた事でのちに不都合な事があなたの身に起きたとしても、一切責任を負えません。どうか、自己責任で聞いてください。

私が高校3年生だった頃、仲の良かったグループの一人が死にました。表向きは、精神疾患による自殺とされていましたが、実際は違います。あいつに呪い殺されたんです。
もう忘れてしまいたい過去なのですが、皆さんにお話しする事で、少しでも私の恐怖心が薄まればと思い、お話しします。

私とA,B,Cの4人はいわゆるヤンキーで、中学のサッカー部時代から一緒でした。高校に入り、そのままサッカー部に入ろうかと思っていたのですが、見学に行ったときにあまりにも厳しそうだったので高校では部活に入らず、地元の社会人がやっている草サッカーのチームに遊びがてら入っていました。このチームの中の一人に町内にあるお寺の住職をしているひとがいて、私は今この人のおかげで生きていると思っています。

高校生活も終わりに近づいていた頃、私たちはよく学校を抜け出していました。私たちは4人とも小さな工場など、それぞれに就職が決まっており、ぬけだしても先生にとがめられるという事もありませんでした。まじめに授業を受けている生徒達の邪魔になるとでも思われていたのでしょう。

ある日、いつものように学校を抜け出し、ぶらぶらしていると、Aがいい場所を知っていると言うのです。
話を聞くと、誰も使っていない廃屋があるから、そこをたまり場にしようと言う事でした。
私たち4人はすぐにその廃屋を目指しました。

実際にいってみると、二階建ての結構大きな屋敷で、バブルの頃にたてられたような趣味の悪いシャンデリアがぶら下がっていました。みんないい所を見つけたとはしゃいでおり、すぐに屋敷の探索が始まりました。
なかなか金持ちだったらしく、家の中はデザインを重視したような作りになっていました。
2階に続く階段へと来たとき、おかしな所に気がつきました。
結構急な階段を登った先にはもちろん2階の部屋へと続くドアがついているのですが、それとは別にもう一つ、階段を5段ほど登ったあたりから上に、手を伸ばしても到底届かないような位置にドアがついているのです。
無理な増改築でもしたときに使わなくなったドアの跡が残ったのだろうかとも思いましたが、二階に上がってみるとやはりおかしいのです。二階のドアを開くとそこは一つの広いフロアになっていたのですが、ちょうど先ほどの手の届かないドアの裏あたりの壁が出っ張っており、そこにはある程度の広さの空間があるはずでした。
みんな、ドアと出っ張りの位置を確認しては、やっぱり変だと口にし、そのうちにあの壁の向こうに隠し部屋があるんじゃないかという話になってきました。
それからは、みんなで入り口探しが始まりました。
大きな本棚をずらすとすぐにそれは見つかりました。
ドアノブは針金でグルグル巻きにされており、内側から開けられないようにされていました。
明らかに隠されていた入り口。軽々しく入って行くべきではなかったのです。
針金を外すと、みんな躊躇する事なくその部屋へと入って行きました。
今思うとみんな呼び寄せられていたのかもしれません。

部屋の中はがらんとしており、中央に机が一つあるだけで、その上に写真立てとわら人形のような物が置かれていました。
「うわー、なんやこれ」
写真立ての人物は学ランを着ていたので学生だと分かったのですが、顔の部分が切り取られていて、代わりにティッシュを丸めたような物が顔の部分に詰め込まれており、赤いマジックで目が書かれていました。
「あーこれ、髪の毛や」
わら人形は髪の毛で作られていました。それが釘で机に直接打ち付けてあります。
私はよく触れるなと思いながら、感触を確かめているAを見ていましたが、何を思ったのか突然Aがその人形を机から引きはがしました。
「おい、やめとけよ」
私はだんだん怖くなってきて、もう帰りたくなっていました。
Aはじっと人形を見つめたまま動きません。
「おい、ここやばいぞ」
Bが紙切れをヒラヒラさせながら言いました。紙切れは御札でした。
よく見ると部屋の四隅に御札が貼られていました。

ギイイいいバタン!

突然ドアが閉まり部屋は真っ暗になりました。
「うわ、なんや」

ガチャガチャ
急いでドアを開けようとしましたが、強い力で押さえつけられていてびくともしません。
「あかん!閉じ込められた」
みんなパニックになりました。
「いいいいいいいいいいいいいいいいいい」
後ろからはAのうなる様な声が聞こえいます。

腰が抜けそうになりながらドアに体当たりしていると、背中から明かりが射してきました。
「こっちや!」
入り口とは反対にあるドアが開いていました。
先ほどのおかしな位置にあったドアが開いたのでした。
「はよこい、はよこい」
私たちは転がり落ちるように部屋を出ました。
ドアから階段までは3メートルくらい高さがあったと思います。
体をしこたま打ち付けましたが、それどころではありませんでした。
「おい!A」「なにしよんや!」
なかなかAが降りてきません。置いて逃げるのは気が引けたので、逃げ出したいのをぎりぎりで我慢していました。
するとAの歌うような声が聞こえてきました。

ここまで聞いていて気分の悪くなった人はこれ以上はお進めできません。
どうか自己責任でお願いします。

続きです。
Aの歌っていた声が耳から離れません。
こんな感じです。
「え~んみぃ~だぁ~ま、え~んみぃ~だぁ~ま」

私はもう限界でした。
Aの姿を確認する事なく、逃げ出しました。BとCもすぐにあとをついてきました。
「やばいて、どうするよ」
私たちはとにかくその場所から離れたくて、自転車に飛び乗ると、必死にこぎました。
「Aどうなったんやろうか」「あれ、なんか憑いとったよな」
そのとき私はサッカーチームの住職の事を思い出しました。
「そうや!天野さんとこ行こう。あのひとお坊さんやし、なんとかしてくれるかもしれん」
「ああ、そうやな、、それがええわ」
そのまま私たちは、天野さんの家に向かいました。

着いてすぐ事情を説明すると、はじめにこやかに聞いていた天野さんの顔がだんだんと厳しい物に変わっていきました。
「お前ら、えらい事してもーたな」
普段聞いた事のないような低い声でした。
「おかん、こいつら頼むわ。本堂から出さんといてくれ」
そういうと、天野さんの母親らしきおばさんに別棟へと連れて行かれました。
ついていくあいだ、天野さんの怒鳴るよう電話の声が聞こえていました。
「あかんわ、吉田さんとこ!すぐ戻ってきてや。」
「ちゃうちゃう!もう解けとる」
「ああ、せやけど、俺自身ないわ。おやじ絶対すぐきてや!」
天野さんの慌てぶりを目の当たりにし、事態は最悪に思えました。
「おふくろ、いってくるわ」
しばらくすると、車の出て行く音が聞こえました。

本堂で待っている間、おばさんに淡々と説教されましたが、なんと言われたのかは全く覚えていません。
私は緊張が解けて、泣いていたと思います。
天野さんが帰ってくるまでに私たちは3人とも丸坊主にされました。

何時間かたって、車の帰ってくる音が聞こえました。
外から、天野さんと、天野さんのお父さんらしき人の声が聞こえていましたが、話している内容は聞き取れませんでした。
しばらくして、再び車の出て行く音が聞こえたと思うと、天野さんだけが本堂に入ってきました。

「ええか、大事な事はなすけん、まじめにききや。まずAの事は忘れろ。うちの親戚がやっとる病院でとりあえず預かってもらっとるが、あれはもうダメや」
もうダメだと言われて、どういう事なのか問いただしたかったのですが、天野さんの真剣な表情をに押されて何も言えませんでした。
「それからな、おまら、もうこの町にはおられへん。出来るだけバラバラの土地に行ってな、顔を合わせんようにしとけ。あいつは自分の事を覚えとるやつの所へは何年かかっても追いかけてくるけん、とにかく今日の事は忘れるんや」
話している間、おばさんが私たちの切り取った髪の毛でわら人形を作っていたのを覚えています。
「こっちでも、出来るだけの事はしてみるけん。急な話やけどな、なにより遠くに逃げるんが確実なんや」
私は、どの辺りまではなれればいいのか、親とも離れなければいけないのか、などといったことをボーとする頭で考えていました。

「あいつ最後逃げるとき、変な歌みたいなもん歌っとった」
Bがつぶやきました。
私ははっきりと覚えていましたし、なにか解決の糸口になればと思い再現してみせました。
「俺覚えとる。えんみーだーま。えんみーだーま」
「やめろ!」
急に怒鳴られて、固まってしまいました。おばさんも人形をつくる手が止まっていたと思います。
「それは歌やない。お前らにしるしを付けるまじないや。二度と口に出すな、頭ん中で思い出すんもいかん。とにかくわすれるんや!」
僕らが顔を合わせたのはその日が最後でした。

あれから7年がすぎ、私は青森に住んでいました。出来るだけ思い出さないように、ただ一日一日を過ごしていく、それだけでした。
Aはあれからすぐに死んだと聞かされました。B、Cともずっと連絡を取っていません。
7年という年月が、私を油断させたのでしょうか。墓参りぐらい行ってやらねばと思い、久しぶりに地元へ帰ってきました。
Aの実家へ訪ねていくとそこは売り家になっていました。あてが外れてしまい、仕方がないので怒られるかもと思いましたが、天野さんの家を訪ねる事にしました。しかし、そこにも立ち入り禁止の札が立っており、住んでいる気配がありませんでした。
近所の人にどういう事なのか聞いてみると、僕らが町を出てすぐ、家族間のトラブルでお互いに殺し合いになったそうです。
地元では大きなニュースとして取り上げられていたとの事でした。とても仲の良い家族だったのに、、と近所の人は感慨深げに話していましたが、
私には信じられませんでした。
あいつが来たとしか思えません。

あれからまた引越しをして、今は別の県にいます。どこにいるのかは言えませんが、最近あの歌がよく頭に浮かぶんです。BとCは元気にしているのでしょうか?私はどうしたらいいのでしょう?誰にも話してはいけないと言われていたのですが、あの歌を皆さんに聞いていただければあいつが私を捜しにくくなるのではないのかと思い、お話ししました。申し訳ありません。あの歌を覚えている方の所へはあいつが来る可能性があります。
本当にごめんなさい。ですが、可能性を下げる事は出来ます。出来るだけ多くの人にあの歌を聴かせるのです。そうすれば他の所へいく可能性が増えますので。よーく覚えておいてください。えんみーだーま。えんみーだーま。

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紋白蝶

Author:紋白蝶
香川県在住の妄想家です。
趣味は読書、ゲームなど。
日々人間の恐怖を探求中、
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