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2008-09-21
306号室
「去年の話です」
沢田さんは以前、住んでいたマンションでの話をしてくれた。
その日は、会社が休みだった。
沢田さんはお昼近くまで、テレビをつけてだらだらしていると刑事が訪ねてきた。
彼女の隣の住人が首をつって死んでいたという。
なにか気づいた事はなかったかと聞かれた。
「全然。だって、私顔も見た事なかったんですよ」
刑事の話によると、妙なメッセージのような物が残されており、困惑しているとのことだった。
「カーテンにね、306って、びっしり赤い字で書かれてたんです」
彼女の部屋は306号室だった。
「もう、すっごい気味が悪かった。そんなの、まるで私の部屋に何かあるみたいじゃないですか」
刑事は念のため部屋の中を確認させてほしいと言い、彼女の部屋に何もない事を確認すると、何かあればと名刺をおいて帰っていった。
「なんか疑われてるみたいで、いい気がしなかったですよ。けっきょくただの自殺ってことで処理されたみたいなんですけど、」
その日から部屋に帰るのが嫌になった。
「出来る事ならあんな縁起の悪い所、さっさと引っ越したかったんだけど、お金なかったし、、」
普段は気にならなかった物音に敏感になった。
「ピシッ、ピシってきしむような音。小さい音だったんだけど、なんだか、、、」
誰か、部屋の中に入ってきているように感じたという。
ある晩、ベットに入っているとリビングからの大きな音に目が覚めた。
「ゴトン!バサバサって、何か落ちたような音。ちょうどトイレにも行きたかったし、私、確かめにいったんです。」
寝室を出て、廊下の電気をつけた。
急な明かりにまぶしさを感じつつ、リビングのドアを開くとひんやりとした空気が漏れてきた。
廊下の照明がリビングをうっすらと照らしており、中の様子が見えた。
「何もなかったんです」
誰かいるのかも、という思いが頭をよぎったが、中に入ってまで確認する気にはなれなかった。
「まぁ、いいやって思って、トイレに入ったんです」
用を済まして便座から立ち上がろうとすると、ぎぃぃ、、とドアの開く音が聞こえた。
リビングの方からだった。
沢田さんは固まった。
トスッ、、、トスッ、、、とゆっくりと歩く音が近づいてくる。
(やだ!やっぱり誰か居たんだ!)
急いで鍵をかけ、ドアノブを握りしめた。
足音がトイレの前でとまった。
「ごめんなさい」
ドス
「ごめんなさい」
ドス
女がドアに体をぶつけているようだった。
なぜ謝られているのか、わけが分からなかった。
沢田さんは恐怖に耐えきれなくなり、目を閉じた。
両手がしびれるほど、固くドアノブをおさえ続けた。
どれくらいたったのか、気がつくと声はしなくなっていた。
結局あさまでトイレに閉じこもっていたという。
後日、警察にありのままを話したが、相手にされなかった。
それからすぐにマンションを引き払い、現在は実家から通っている。
沢田さんは以前、住んでいたマンションでの話をしてくれた。
その日は、会社が休みだった。
沢田さんはお昼近くまで、テレビをつけてだらだらしていると刑事が訪ねてきた。
彼女の隣の住人が首をつって死んでいたという。
なにか気づいた事はなかったかと聞かれた。
「全然。だって、私顔も見た事なかったんですよ」
刑事の話によると、妙なメッセージのような物が残されており、困惑しているとのことだった。
「カーテンにね、306って、びっしり赤い字で書かれてたんです」
彼女の部屋は306号室だった。
「もう、すっごい気味が悪かった。そんなの、まるで私の部屋に何かあるみたいじゃないですか」
刑事は念のため部屋の中を確認させてほしいと言い、彼女の部屋に何もない事を確認すると、何かあればと名刺をおいて帰っていった。
「なんか疑われてるみたいで、いい気がしなかったですよ。けっきょくただの自殺ってことで処理されたみたいなんですけど、」
その日から部屋に帰るのが嫌になった。
「出来る事ならあんな縁起の悪い所、さっさと引っ越したかったんだけど、お金なかったし、、」
普段は気にならなかった物音に敏感になった。
「ピシッ、ピシってきしむような音。小さい音だったんだけど、なんだか、、、」
誰か、部屋の中に入ってきているように感じたという。
ある晩、ベットに入っているとリビングからの大きな音に目が覚めた。
「ゴトン!バサバサって、何か落ちたような音。ちょうどトイレにも行きたかったし、私、確かめにいったんです。」
寝室を出て、廊下の電気をつけた。
急な明かりにまぶしさを感じつつ、リビングのドアを開くとひんやりとした空気が漏れてきた。
廊下の照明がリビングをうっすらと照らしており、中の様子が見えた。
「何もなかったんです」
誰かいるのかも、という思いが頭をよぎったが、中に入ってまで確認する気にはなれなかった。
「まぁ、いいやって思って、トイレに入ったんです」
用を済まして便座から立ち上がろうとすると、ぎぃぃ、、とドアの開く音が聞こえた。
リビングの方からだった。
沢田さんは固まった。
トスッ、、、トスッ、、、とゆっくりと歩く音が近づいてくる。
(やだ!やっぱり誰か居たんだ!)
急いで鍵をかけ、ドアノブを握りしめた。
足音がトイレの前でとまった。
「ごめんなさい」
ドス
「ごめんなさい」
ドス
女がドアに体をぶつけているようだった。
なぜ謝られているのか、わけが分からなかった。
沢田さんは恐怖に耐えきれなくなり、目を閉じた。
両手がしびれるほど、固くドアノブをおさえ続けた。
どれくらいたったのか、気がつくと声はしなくなっていた。
結局あさまでトイレに閉じこもっていたという。
後日、警察にありのままを話したが、相手にされなかった。
それからすぐにマンションを引き払い、現在は実家から通っている。
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