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2008-11-05

最後の手紙

アリサは短大生の頃つき合っていた男の話をしてくれた。
「出会いはコンパだったんですけど、、彼、全然がっついてなくて、とけ込めない娘に話を振ってあげてたりして、、何か良いなって思っちゃって」
アリサの方から積極的にアタックし、つき合う事になったのだという。
「でもつき合ってみてダメだって思いました。彼、すぐ切れちゃうんです。切れたら部屋の物、何か壊すまで収まんないし」
切れる理由は<テレビの音量が大きい>、<メールの返信がおそい>など、自分勝手な物だった。
あるとき、ビデオの返却が遅れた事を理由にビデオデッキを壁に投げつけられ、壁に大きな傷がついてしまった。
「別れようって決意しました。もう、前みたいな気持ちは無かったし、、」
そのまま喧嘩別れのようになったのだという。

一週間後、彼からメールがあった。
「なんか彼には別れたっていう認識は無かったみたいで、」
<今度の日曜映画に行かないか?>という誘いのメールだった。
「私もう続ける気なかったんで、<もう会えない、さようなら>って返しました」
それからしばらく<やり直そう>という内容のメールが来ていたが、返信しなかったという。

彼からのメールが来なくなり、気持ちの整理も付き始めた頃、彼が短大の前で待っていた。
彼は最後に話がしたいからドライブにつき合ってくれと言ってきた。
「、、ちゃんと話もしてなかったし、これで終わらせようと思って、ついて行ったんです」
つき合い始めて最初に行った海へと行く事になった。

海に着くと、二人で浜辺を歩いた。
「もう、気持ちは変わらないのか?」
アリサは彼の前を歩きながら、振り返る事が出来ず足元を見ながら答えた。
「ごめん、、でも、かっちゃんと出会えて良かったと思ってる。かっちゃんと一緒に作った思い出はずっ、、」
最後まで話す事が出来なかった。
後頭部に強烈な衝撃を受け、膝から砂浜に倒れた。
ジンジンと熱を放つ後頭部をさわるとヌルっとした生暖かい感触があった。
「えっ?」
殴られたと理解した瞬間、再び襲われた衝撃に目の前が真っ暗になった。

気がつくと波の音がすぐそばに聞こえた。
辺は真っ暗になっていた。
体は動かなかった。
アリサは波打ち際に、頭だけを出した状態で埋められていた。
「かっちゃん!なにこれ?出してよ!」
男は泣いていた。
アリサの声を無視すると突然もっていた手紙を読み始めたという。

「アリサへ。僕にはこれから、君のように夢中になれる女性は現れないと思う。君は僕の理想の女性です。この世界ではうまく行かなかったかもしれないけど、僕たちは一緒になる運命です。二人で次の世界へ行きましょう」

男は読み終えた手紙を丁寧に封筒に戻すと、アリサの顔の前に置き手を合わせて拝み始めた。
「ちょっと何いってんの?わけ分かんない事しないでよ!」
アリサが大声で助けてと叫ぶと、男の張り手が飛んできた。
「もぅ、ちょっと黙っててくれないかな?全く、、これからだってのに、、」
男はひとつ大きなため息をつくと自分の腹に包丁を突き立てた。
「いってー!やっぱこれ無理だわ、、」
1センチも刺さったようはに見えなかった。
というよりは、初めから覚悟があるようには見えなかった。
「すぐに追いかけるから先に逝って待ってて、、じゃあ」
そう言うと男は去っていったという。

海岸線が上がってきている事が分かった。
「このまま潮が満ちてきて溺れるんだって思ったら、すっごく怖くなって」
アリサは大声で助けを呼び続けた。
しだいに波が顔にかかるようになった。
波をかぶっている間は息を止め、波が引いたタイミングを見計らい大きく息を吸い込んだ。

「どれくらい続いたんだろう、、」
気がつくと辺は明るくなり始めていた。
潮は引き始めていた。
アリサは朝、波乗りに来たサーファーに助けられたという。

次の日、父親を連れて男の家に行った。
「あいつ、ポテトチップス食べながらゲームしてたんです」
父は男を見つけると何も言わずに殴り倒した。
動かなくなるまで殴り続けた。
途中からアリサも参加したという。

男の両親の頼みで警察には届けなかった。
かわりにアリサの口座に300万が振り込まれたという。




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2008-10-21

ねずみ男

「私のとこ、ほとんど学生しか住んでいないから、おかしいなって思ったんです」
マヤさんは大学から歩いて5分ほどのマンションに住んでいた。
「私、3年まででほとんど単位とってたから、」
四回生になると、大学の授業は午前中で終わり、昼過ぎには帰ってくる事が多くなったという。

ある日、学校から帰ってくるとマンションのエレベータへ駆け込んできた男がいた。
「40歳くらいに見えました。表情が分からない位ひげがいっぱいで、」
男は毛玉だらけのトレーナーを着ていた。
エレベータの中に赤身魚の様なねっとりとした臭いが広がったという。
「私の部屋7階なんです。階段なんて使ってなかったし、、」
マヤさんは身を固くしてエレベータが開くのを待った。
男が話しかけてきた。
「あー、すいません。高木さんのお友達ですか?」
男の視点はマヤさんの左上に固定されたままで、顔を見ずに会話する姿が気持ち悪かった。
「高木さんって言われても、どの高木さんだか分かんないし」
マヤさんは[いいえ]とだけ答えたという。

7階になりエレベータが開くと、マヤさんは急いで歩き出した。
男が後を付いてきていた。
「私の事、付けてきてたらどうしよう?って焦りました」
マヤさんは自分の部屋を通り過ぎると携帯を取り出した。
「もしもし、アケミ?、、あっ、ごめ~ん!すぐ取りに行くから、ちょっと待ってて、、」
忘れ物をした振りをして引き返し、小走りで男の脇を避けるようにすり抜けた。
扉の閉まるエレベータの中から、男がマヤさんの部屋の前で立っているのが見えた。
「その人、私の部屋のドアスコープを覗き込んでるんです」
マヤさんは友人に事情を話し避難させてもらうことにした。

1時間ほどして、友人に付いて来てもらい自分の部屋へ帰る事にした。
部屋の前に男の姿は無かったが、ドアノブにスーパーのレジ袋がぶら下がっていた。
「キウイかな?って思ったら、」
たくさんのネズミが入っていた。
レジ袋の中でもぞもぞと動くネズミ達は、弱っているようではあったが死んではいなかった。
あの男の仕業だとおもったマヤさんはすぐに警察へ電話をしたという。

一週間後、部屋の外が騒がしいと感じていると刑事が尋ねてきた。
マヤさんの隣の部屋で捜索願の出ていた女性の死体が見つかったのだという。
「刑事さんに確認してもらいたい物があるっていわれて、」
隣の部屋から死体と一緒にマヤさんの服や下着、郵便物が出てきたのだという。
死亡していた女性は3年以上監禁されていた。
発見された時には腐敗が始まっており、部屋から大量のネズミがでてきた。
女性の名前は高木めぐみ。
同じ大学の卒業生だった。
犯人は逃走中なのだという。

後日、高木さんはマンションを出て大学へは実家から通うようにした。
「電車で2時間くらいですけどね。週に1日行けば卒業の単位は確保できたし。単位とっててよかったですよ」
就職先は実家の近くで探す予定なのだそうだ。



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2008-10-16

合成肉加工工場

「最近じゃ食品加工会社は目の仇ですよ」
松本さんは勤めている食品加工工場ではウインナーを作っていた。
近年の食品偽装や農薬混入の事件の影響で監査機関から突っつかれているのだという。
「うちは大丈夫ですよ?品質管理しっかりしてますし、輸入品みたいに大量生産じゃなくて、少量でも高品質ってのが売りですから。、、、ただ、以前に一度だけ、、」

その日はオーナーの奥さんが見学に来ていた。
絵に描いたような成金で、見学に来る時にはいつもマルチーズを連れていた。
「僕らは防菌服で作業してるってのに、工場内を散歩させるんです。バカらしくなりますよ」
普段は競馬新聞を読んでいるだけの工場長はここぞとばかり、あれこれと説明してまわるのだという。
「いきなり足元にマルチーズが戯れ付いてきたんでビックリしました」
工場内には応接室が設けてあり、その扉が少し開いていた。
中では工場長がオーナーの奥さんにコーヒを入れているのが見えた。
「捕まえようとしたら逃げるんです」
工場内で作業員との追いかけっこが始まったという。
そうこうしている内にマルチーズはベルトコンベアーに飛び乗った。
「荒肉をミンチにする行程でした」
マルチーズはベルトコンベアーに乗っている荒肉の匂いをしきりに嗅いでいた。
肉をすり潰す歯車が近づいてくるとマルチーズはベルトから飛び降りようとした。
「あっという間でした」
すでにリードが引き込まれており、ゲップのような音と共にすり潰されていったという。

作業員たちは互いに顔を見合わせ、応接室へと顔を向けた。
中では未だに工場長がオーナーの奥さんにゴマをすっている姿が見えた。
皆、何事も無かったように持ち場に戻ったという。

その後しばらくすると奥さんが愛犬がいなくなった事に気づき、作業員全員で探すはめになった。
誰も真実を言いだす者は居なかった。
「自動で袋詰めまでされますから、、」
完成品は、その日のうちにスーパーに並ぶのだという。



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2008-10-15

春彦さん

[今度、遊園地に行きませんか?]
アケミの携帯に誘いのメールが入ってきたのは、やり取りを始めて1ヶ月ほどたった頃だった。
「私、彼氏と別れたばかりで、、遊んでくれる人探してたんです」
アケミは出会い系サイトで知り合った男といい感じになっていた。
男のハンドルネームは[ラルク]。
ラルクのファンだったアケミさんは、話が合うのではないかと思ったのがきっかけだったという。
「すごいメールの文章が丁寧で、きっと誠実な人なんだろうなって」
やがて、お互いの顔が見たいという話になり、写メの交換をする事になった。
「思ってたより全然素敵で、当たりだ!って思いました」
彼からの返信メールには[アケミさんの顔、おもいっきり僕のタイプです]とあった。
アケミは[ラルク]に会いたいと思うようになった。
「彼、けっこう奥手で<どこかで合おう>みたいな話、なかなか出てこないの。私から合おうって言うのも抵抗あったし」
遊園地へ行こうと誘いのメールがあった時には、すぐにOKの返事を返したという。

二人は次の週の月曜日に待ち合わせる事にした。
「私、美容室で働いてるから月曜日が休みでしょ?彼も休みは合わせられるからって」
待ち合わせの時間より10分前に行ったが、彼はすでに来ていた。
「写メ交換してるから、すぐに分かった」
実物も申し分ないイケメンだった。
「あなたがアケミさん?」
彼に<はじめまして>と言うと、隣のおばさんが話しかけてきた。
「あらぁ、素敵な方じゃない。ほら、トオル、ご挨拶は?」
[ラルク]はこもった声で<どうも>とだけつぶやいた。
隣の女は[ラルク]の母親だと名乗った。
「目が点ですよ。ああ、痛い人なんだなって、、期待してた分ショックでした」
その場で帰りたかったのだが、強引な母親が<さぁ!さぁ!いきましょう>と二人を連れて遊園地の中へ連れていかれたという。

会話の8割は母親がだった。
時々アケミが相づちをうつ程度で、[ラルク]はひと言もしゃべらなかった。
冗談のような時間が過ぎていった。
「私、何してるんだろうって」
やがて、母親が
「あなた達、あれに乗ってらっしゃい!」
そう言ってジェットコースタを指差した。
「ほら!ほら!荷物預かっとくから」
アケミはバックを渡すと二人でジェットコースタに乗り込んだ。
二人乗りのシートで横並びに座っていたのだが、やはり[ラルク]は何も言わず、カッ、カッ、カッというジェットコースタが登っていく音だけが響いた。

アトラクションが終わると[ラルク]の肩が震えていた。
「彼、泣いてたんです」
母親が飛ぶように走ってきた。
「トオルちゃん、どうしたの?泣いちゃって、、男の子でしょ?」
ジェットコースタの係員の目も気にせずに、すり寄っていった。
「アケミさん、ちょっとごめんなさいね。この子落ち着かせるから」
そう言うと母親は[ラルク]をメリーゴーランドへと引っ張って行った。
<ちょっとこれお願い>と母親と[ラルク]の荷物を渡された。
戻ってきたら帰らせてもらおうと心に決めたという。

荷物を抱え、二人を待っていると母親のバックからメモ用紙が落ちそうになっていた。
「たぶん免許証見たんだと思います」
メモにはアケミの本籍、住所、免許書番号が控えられていた。
アケミはメモを破り捨てると、そのまま荷物をおいて帰ったという。

後日[ラルク]から[この前は楽しかったです。また今度映画でも行きませんか?]とメールがきた。
アケミは受信拒否設定を始めて使ったという。



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2008-10-11

プリンちゃん

「今日はぁプリンちゃんの命日なのぉ」
キャバクラ嬢のユメさんは悲しそうな顔で話してくれた。
アニメ声のためか芝居がっかってみえた。
<飼っていた犬でも死んだのか?>と尋ねると、クイクイと頭を横に振り、うつむいてしまった。
自分の子だと言った。
ユメさんは去年流産しており、今日がその日なのだという。

その日、ユメさんは流行のインフルエンザにかかっており、自宅のアパートで寝込んでいた。
「先生からホンコンA型って言われたぁ。ユメ、O型だから違うっ!て言ったんだけどぉ」
夜になり、ふらふらする体で店に出勤したという。
処方された薬が効いている間はよかった。
「なんかねぇ、私ってお酒飲んでる方が調子良いみたい」
いつも以上にフワフワする感覚が面白かった。
閉店になる頃にはグデングデンに酔っていたという。

閉店後、店の女の子達とカラオケに行ったのだが、いつ帰ってきたのかは覚えていなかった。
気がつくと自分のアパートで、着替えもしないまま布団にくるまっていたのだという。
「なんじごろだろぉ、、ユメってばお腹痛くって、目が覚めたんだけど、」
体をおこす事ができなかった。
脂汗で服はグッショリと濡れてしまい気持ち悪かった。
「すっごい痛くて、そのまま気を失っちゃったのかなぁ?」
目が覚めると昼すぎだった。
股間のあたりがヌルヌルと濡れていた。
「おもらししちゃったのかと思ったぁ」
布団が真っ赤に染まっていた。
「ユメ、ビックリしてぇ体起こしたんだけどぉ、」
自分の血だと分かった。
太ももに着いた血が乾きはじめており、筋のような模様を作っていた。
赤いシミと一緒にブヨブヨとした物がいくつかあった。
「ポッチンプリンをぐちゃぐちゃっ!てした感じ。つまんでみたら小ちゃい足が生えてるのぉ」
心当たりは無かったが自分の赤ちゃんだと理解できた。
ユメさんのお腹は出てきていなかった。

その後病院で見てもらうと、妊娠早期の段階だった事がわかった。
父親は誰だか分からないという。
「ちゃんと出て来れなくて可哀想だったからぁ、、わたし、名前つけてあげたんだぁ!」
そう言うとユメさんは携帯の写メを見せてくれた。


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紋白蝶

Author:紋白蝶
香川県在住の妄想家です。
趣味は読書、ゲームなど。
日々人間の恐怖を探求中、
たぶん普通の人です(汗)
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